Custom Yacht Project
ー カスタムヨットプロジェクトー




造船所のご紹介



フォーム材の張り付けはもうすぐ完了ですが、その前に、このプロジェクトに
関わっている人達をご紹介致します。まずは、この全てを取り仕切っている
のが、英国はロンドンに拠点を持つ、PCヨットのマークさん。このブランドの
名前にもなっています。それから、このヨットのデザインを担当しているのが、
世界的に有名ですが、Hoekデザインで、彼はオランダです。それで、造船所
はと言いますと、Metur Yacht と言い、トルコ、イスタンブールから南に位
置し、いわゆる観光リゾート地です。Bodrumという町。

トルコって何処?という方もおられるかもしれませんが、エーゲ海に面し、そ
の海を挟んで反対側にはギリシャがあります。トルコは親日国で、昔、1890
年、トルコのエルトゥール号が台風のせいで、和歌山県の串本町沖で岩礁に
衝突、それを村民達が救助したという歴史があります。有名な話です。

ヤードは1983年設立で、Hoekデザインとは20年以上の関係があり、彼が
デザインした多くのヨットを建造してきています。自分自身の為のヨットも、二
艇、ここで建造したとか。長い、深い信頼関係が築かれてきています。


Andre Hoekさん(左)デザイナー&Boraさん(右)造船所オーナー 

Boraさんは、英国で育ち、高校を卒業後、アメリカで大学を卒業、その後、
この造船所をお父さんから引き継いでいます。お父さんが造船所の設立者
二人の娘が居るとか。

それは兎も角、現在、PC47の他、PC55と、もうひとつ74フィートを建造中


写真の撮り方もありますが、右が74フィートですから、左の55フィートが小さ
く見えます。これは良くある現象で、海外に行きますと、大きなヨットがゴロゴ
ロしてますから、サイズ感が麻痺してしまいます。ところが、日本に持ってきた
ら、こんなに大きかったかな〜と、感覚が日本仕様に戻る。ですから、海外に
見に行った時は要注意なんです。

この造船所では最大100フィートまでの建造ヤードを持っています。大きなヨ
ット、それもカスタム専門なので、日本には全く馴染みはありませんが、この度、
日本にも進水させる機会を得ました。それで、このプロジェクトの日本サイドの
マネージメントを行っているのが弊社です。かつて二度、カスタムを取り扱った
事がありますが、カスタム建造をする様な造船所の技術は確かなものです。そ
うで無いとカスタムなんかできません。また、かつて関わったカスタム造船所の
オーナーが言ってました。お金儲けが目的なら、たくさん造って、たくさん売った
方が儲かると。じゃあ、何故カスタム建造するんですか? 情熱だな。との返事
、これはPCヨットのマークさんも同じ応えだった。良いヨットを世に送り出したい。

さて、日本側の弊社は設立が1996年、当初からデイセーラーを推進してきまし
たが、社名にカスタムズと入れたのは、こういうカスタム建造に携わる事も含め
ていたからです。今回のプロジェクトは建造開始から完成まで、約1年を要します
その前の打ち合わせと、完成後の輸送等々を含めますと、1年半ぐらいか?
ここで最も重要な事は、関係者の信頼ではないかと思います。それと、コミュニケ
ーションです。一般の造船所の中には、返事が来ないとか、遅いとか、そういう造
船所も中にはありますが、それではお話にならない。

さて、このプロジェクトの主役、日本のオーナー無くしては、このプロジェクトは
成り立ちません。、そんなに長いヨット経験をお持ちではありませんが、情熱は深
い。ヨット運営で最も大切な事は、操船の知識や技術も重要ですが、それ以上に、
ヨットに対する情熱だと思います。何故なら、知識や技術は既に確立されたものが
あり、それは、いくらでも学ぶ事ができます。しかし、情熱は学べない。曖昧なもの
だけに、自分の中に無から生まれ、創造していかなければならないので、学ぶとい
う類のものとは違います。それさえあれば、どうにでもできる。何とでもしようとする。
さて、オーナーの事をどこまでオープンにして良いか解りませんので、今の処は、こ
の程度に留めておきます。


PC47、あともう少しでフォーム材の張り付け終了


コーブストライプは既に成形されています。


ヤードから見えるエーゲ海、200mぐらいの距離です。完成時は、ここでシー
トライヤルを行います。

造船所の近くには大きなマリーナがあります。
 
 
 

トルコに対するイメージは薄いのですが、イスタンブールは東洋と西洋の出入
り口と言われます。つい、ヨットと言えば西ヨーロッパ側の国々を思い浮かべま
すが、彼らはこんな処で楽しんでいる。それに造船所だって、東ヨーロッパで建
造されるヨットは実に多いのです。

”場所や造船所で判断すべきでは無い。出てきたヨットで判断するべきだ。”
デザイナーのAndre Hoek さんの一言
ごもっとも!

実は、この地の気候は、造船にとって非常に都合が良く、夏は40/45度に
達し、でも、非常に乾燥しているそうで、ラミネートには良い。ただ、冬はさす
がにヒーターを使うそうです。温度や湿度の管理は、とっても重要です。

2020年7月21日


以降、建造と供に更新していきます。

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